2020-01-01から1年間の記事一覧

好きなんだから好きなんだ

好きなんだから好きなんだというのを、例えば、あの色の出し方が好きなんだといえば、少しはわかりやすく伝わる。 かも知れない。

あたまがこむら返り

何を写して見せても、どのように写して見せても、写真そのものはつねに目に見えない、人が見るのは志向対象(被写体)であって、写真そのものではないのである。 バルト 「写真」というのはことば(概念)だから、見えなくて当たり前という話でしかない。ま…

これで終了です

11 「ストゥディウム」 「写真家」の神話は、もちろん「写真」を社会と和解させる(神話とは、そうした和解の役割をもつものなのである)ことを目指して(これは必要なことなのか?―もちろん必要なことである。「写真」は危険なものだからである)、「写真…

写真を見る視座

8 鷹揚な現象学 「観客」としての私は、ただ≪感情≫によってしか「写真」に関心を寄せなかった。私は「写真」を、一つの問題(一つの主題)としてではなく、心の傷のようなものとして掘り下げたいと思っていた。私は見る、私は感ずる、ゆえに私は気づき、見…

無秩序な好み

6 「観 客」(スペクタトール)その無秩序な好み 「私はつねに自分の気分を論じたいと思っていたのである。」p28 これは【カントによれば、私たちがある対象について“美しい”とか“醜い”(みにくい)と判断するとき、それは、快不快の感情に従っていると…

間違いました‼

あせる必要もないのに、なんだかあせって写真を貼り間違ったので、前のはそのままに新しい写真をアップさせていただきます。

出発点としての感動

3、出発点としての感動 私は若干の個人的反応から出発して、それなしでは「写真」が存在しえないような「写真」の基本的特徴や普遍化を定式化しようとつとめるであろう。p14 まあ、目に見えないものでも存在する言葉なんだから定義するんだという宣言か…

明るい部屋を読む

明るい部屋を読む 48の比較的短い文章(それぞれに小見出しがついている)によって構成されているので、それに従って順番に読んでいこう。引用は私が興味を引いたもので、バルトさんが言いたかったこととずれている傍論のような部分も多く、またタイプミスも…

伝えたいもの

伝えたいもの 写真で伝えたいものがあるとすれば、「私の眼はこの街(世界)を今現在こんな風に見ていますよ」という風なもので、何ものかを喚起したいということはなく、きわめて個人的な視点を提示しています。 では、それをだれに伝えたいのかというと、…

ことばで語れ

ことばで語れ ステートメントとは端的に言えば、写真で何を伝えたいのかをことばで語れということなんだろう。 花の美しさを伝える、商品の良さを伝える、ダメな世界の現状を伝える等々百花繚乱、無数の伝えたいことがある中で、いまなぜこの写真であるのか…

自分の写真を語る

自分の写真を語る 〇上にアップした自分で撮った写真について語れ。〇それはステートメントを書けということか。 ●単純に考えれば、すでに写真によって語られていること以上のことをことばで語るというのは難しいだろう。 〇写真展などを見せてもらうと、皆…

見るまえに跳べ

見るまえに跳べ W・H・オーデン 深瀬基寛訳 一万尺の海底の孤独というものがあなたとわたしの臥ているベッドを支えているのです。むろんわたしはあなたを愛するんですが、あなたは跳ばなくてはなりません、安全無事を祈願するわたしたちの夢は、失せなくて…

心のこころをよめる

心のこころをよめる 神といひ 仏といふも 世の中の 人の心の ほかのものかは 実朝 口語訳 神だの仏だの言うが、それもこれも現世に生きる人の心以外のなにものでもないのだ。 ニーチェの「神は死んだ」ではないが、鎌倉の知性は冷徹に世界を見ていたんだなぁ…

映像世界 最終章

映像世界 最終章 映像世界とは70年代を中心とした映像の時代のメディア論として読んだが、その中ではカメラなどの道具と、表現メディア(媒体)としての写真のかかわりなども様々な角度から取り上げられている。 また、この本には「引用の小冊子―W・Bを讃え…

写真の四福音書 の章を読む

写真の四福音書 この章のタイトルは写真の伝道者のことなのだろうか、それとも教会システムならぬ、写真システムを作り上げた人たちととそのシステムいうことなんだろうか。 写真が確立されたものに成ってゆく過程、言い換えれば写真における美術館システム…

ポケットフォトシリーズ

ポケットフォトシリーズ このシリーズはどうやら12冊(12人)で終わってしまったようだ。印刷も編集も今一つだが安いし、写真作家の概要を知ることができるのはいいことだ。 みなさんご存じの方ばかりではありますが、一行コメントをつけておきます。 ルイ…

視覚のヒロイズム の章を読む。

視覚のヒロイズム アルフレッド・スティグリッツは1893年2月22日、彼の有名な写真「冬の五番街」を撮ろうとして、「ここぞという瞬間を待つて吹雪の中を三時間も立ち尽くしたと、誇らしげに報告している。ここぞという瞬間は事物(とりわけだれでも眼…

喪の日記  ロラン・バルト

喪の日記 ロラン・バルト 「明るい部屋」への長い長いイントロダクション‼ バルト死後30年たって刊行された本。 11月10日「がんばって」と人は言う。だが、がんばる時とは、彼女が病気で、私が彼女の苦痛や悲嘆を見ながら看病していて、そして気づかれな…

メランコリーな対象  のチャプターを見る

メランコリーな対象 のチャプターを見る 昔読んだときはシュールレアリスム(特にオートマチズム)と写真を結びつけて考えているのはさすがだなぁと思ったかすかな記憶があったが、読み返してみるとちょっと違うようだ。 どうやらシュールレアリスム関連の話…

ブローティガン東京日記

ソンタグ第3弾を書いたのに、pcから消えた。仕方がないのでブローティガンの詩をアップさせていただきます。気力が出れば「写真論」第3弾もやり直します。 ブローティガン東京日記 福間健二訳 不動産 自分を読む新聞のような 感情がぼくにはある つづけて…

写真で見る暗いアメリカ

写真で見る暗いアメリカ のチャプターを読んでみる この章のマクラはホイットマンである、(アーバス)の写真で見る(1970年代)の暗いアメリカに対比するシンボルとしてのホイットマンといったところか。 なんて書いたが、ホイットマンの草の葉は読んだ…

切り絵展「いえない」

昨日 切り絵展「いえない」 くろあさんを見せていただきました。展示で見たのか、ブックで見たのか判然としませんが(すばらしい展示作品があったのに)シンプルな文字の切り絵が気になりました。基本的には書と同じスタイルのアートなんでしょうが、切り絵…

現代美術史 山本浩貴

現代美術史 山本浩貴 □羊頭狗肉 〇著者が伝えたいものがあるなら、現代美術史なんて本を売りたいだけのええ加減なタイトルにすべきではないでしょう。また、これは「正史」ではないなんてご自分で書かれていますが、なぜわざわざ言うのかよくわからないので…

スーザン・ソンタグ 写真論  プラトンの洞窟で

スーザン・ソンタグ 写真論 プラトンの洞窟で のチャプターを読んでみる ●すでに定評のある本に何を言いたいのか。 〇思いついた適当なヨタ話をかいただけなので、皆さん方に置かれましては、くれぐれもご以下の文章を信じることなく、ご自分で読まれて判断…

荒木経惟・森山大道 令和を撮る

荒木経惟・森山大道 令和を撮る 森山大道さんの姿かたちは立派なおじいちゃんですが、撮られているスナップは現役感バリバリで素晴らしい。 今どきの肖像権やらなんやらを考慮に入れて撮影されているにもかかわらず、誰が見ても森山大道というスタイルを崩す…

自己満足

もちろん、好きな写真は?と問われれば、躊躇なく自分の撮った写真と答えるが、もっと自己満足のレベルを高めないといろいろ面白くない。 と いうことで、今年はゆっくりと丁寧にシャッターを押そうと思っていたが、三歩歩くと忘れて、まだ3日めなのによく…