2024-01-01から1年間の記事一覧
万人のための哲学入門 佐々木中 サブタイトルが「この死を謳歌する」となっていますが、何が言いたいのかよくわからない本だと思いました。中島義道さんの後釜を狙っているわけではないとは思いますが知らんがなの世界です。 仏教では死んだらどうなるかなど…
万人のための哲学入門 佐々木中 サブタイトルが「この死を謳歌する」となっていますが、何が言いたいのかよくわからない本だと思いました。中島義道さんの後釜を狙っているわけではないとは思いますが知らんがなの世界です。 仏教では死んだらどうなるかなど…
吉増剛造詩集 ① 出発② 黄金詩篇③ 頭脳の塔④ 王国⑤ わが悪魔祓い 1961年から1974年までの詩。 時代を追って意味からリズムへの流れてゆく、詩の群れを追いかけて楽しませていただきました。 「帰ろうよ」最後の三行。 獅子やメダカが生身をよせあって…
われらみな食人種 クロード・レビィ=ストロース 時事的な問題を狂言回しにしたコラム集。 再読したのですが、そのなんとも強靭な知性に驚かされる本でした。そして優れたレヴィストロース入門としてお勧めいたします。 「おのおのが、自分の習慣にないもの…
私の本はすぐに終わる 吉本隆明 1950年代からの吉本隆明詩集。 ぼくらはきみによってきみはぼくらによって ただ屈辱を組織できるだけだそれをしなければならぬ 「涙が枯れる」の一部 長い間吉本隆明を読んでいなかったが、また読みはじめた、持続するこ…
報告書 地蔵祠・地蔵盆は今 京都のお地蔵さんの現在を様々な角度からアプローチした小冊子。 路地の奥(だけではないが)にはお地蔵さんの祠があることが多く、京都はお地蔵さん密度がとても多いエリアですので地域研究にもなっているようです。大阪などでも…
タイトルの魔力 佐々木健一 美学者の佐々木健一さんによるタイトルへの哲学的アプローチ。サブタイトルは「作品・人名・商品のなまえ学」。 様々な方向からのタイトルや名前へのアプローチですが、羅列的であり名前の問題を深く掘り下げたものではないようで…
日本写真論 日高 優 ブタイトルは「近代と格闘する三巨人」三巨人とは木村伊兵衛、土門拳、濱谷浩の三人の皆さんです。 まず、いまだにこんな文体で書く人がいることに驚きはしませんがあほくさと思ってしまいました。 三人の巨匠がいた時代を書いているのか…
猫屋台日乗 ハルノ宵子 不思議な居酒屋を営む漫画家のコラム集。 今回の本は料理の話が中心で吉本隆明濃度が低く、最近再度吉本フアンとなった私には物足りませんでしたが、面白くは読ませていただきました。 吉本隆明さんに限らず書かれたものに対して、書…
ユリシーズの涙 ロジェ・グルニエ 犬を狂言廻しにして語る身辺雑記的コラム集。 以前読んだ犬の代わりに写真とカメラを同じように狂言回しとして第二次世界大戦前後のパリを書いた「写真の秘密」という本が面白かったので、この本を読んでみましたが残念でし…
顔に取り憑かれた脳 中野珠実 自分の顔に関するコラム集。 多様な顔に関連したトピックが取り上げられていますが、こちらの問題があるにしてもその話の内容がどういうレベルのものなのかが、難しそうに書かれていますが、それが仮説として検証可能なものなの…
神道の逆襲 菅野覚明 神道が宗教となってきた道筋をたどった神道の歴史の概要を記載した本。 神道入門書としては世評の高い本であり、読んで損のない本だと思いますが、いろいろなトピックが結構ランダムに並んでいるので読みにくく、著者が何を言いたいのか…
日本仏教の思想 立川武蔵 仏教受容期から明治までの日本仏教思想史。 むかし読んだ本の再読ですが、熱のある本にもかかわらず、使われている概念のまとめや説明がうまく、読んでよかったと思いました。 本覚思想を軸に展開するコンパクトにまとめられた日本…
創造性はどこからやってくるか 郡司ペギオ幸夫 哲学者が芸術してみた本。 創作プロセスを哲学的(どんなことだ)に分析しているのがメインなんでしょうが、分析道具がよく分からないところもあって、芸術理論としては何か新しいトピックがあるようには見えま…
ならず者たちのギャラリー 誰が「名画」をつくり出したのか? フィリップ・フック 画商をめぐるお話、西洋美術史を裏面からのぞいた本。 売れない画家が画商として働いていた時代から、近代の少し規模の大きくなった時代の画商という商売のお話。 読み始めは…
アダム スミス 水田洋 最初の経済学者と言われるアダム・スミスの評伝。 一般常識的な知識を得たいと思って読み始めましたが、要領を得ない文章がだらだらと続く感があって読みにくいのと、多数ある引用も素人が言って申し訳ないのですがあまり的確になされ…
カント 貫成人 カントの考えたことのあらましを知ることのできる本。 カント独特のことば、例えば悟性やらアンチノミ―をわかりやすく解説されていたり、なぜ三大批判書があり、それぞれの役割・内容と流れが分かりやすく概説されており、カントの著作に取り…
神道を読む 2 神道入門 新谷尚紀 読む必要のない本。 民俗学者ということで、庶民から見た神道、言い換えれば氏子や信者さんから見た神道とはいかなるものかというのは霧の中で、大いなる期待外れ。 歴史的背景も良く書かれておらず。この本を読んでも、神…
神道という訳の分からないものを読んでみる。 神道の逆襲 菅野覚明 再読 仏教伝来以降の神道の歴史を記述した本。 後の方になるとなんだかイデオロギー的なにおいが強くなってくるように感じますが、神道思想がいかに構築されていったかが分かるように書かれ…
私は吉本隆明ファンだったのかもしれない 隆明だもの ハルノ宵子 クールな筆致で描かれた吉本家のファミリーヒストリーのような本。埴谷雄高さんが徘徊老人になり、吉本さんも糖尿病や老化が進行して行きお亡くなりになって、昭和も遠くなりました。 民衆や…
高田渡を読んでみた 個人的理由 高田渡 歌詞を集めたものではなく普通の詩集です。二十歳前後の若いころに書かれた詩を編集した詩集ですが、あまり惹かれるものはありませんでした、自転車に乗って等の歌詞はいい感じなので、晩年に詩作されたものを読んでみ…