明るい部屋を読む

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明るい部屋を読む


48の比較的短い文章(それぞれに小見出しがついている)によって構成されているので、それに従って順番に読んでいこう。引用は私が興味を引いたもので、バルトさんが言いたかったこととずれている傍論のような部分も多く、またタイプミスも多いのでご注意ください。


1 「写真」の特殊性


私は「写真」の≪存在論≫(オントロジー)を企てたいという欲求にかられた。「写真」とは、≪それ自体≫何であるのか、いかなる本質的特徴によって他の映像の仲間から区別されるのか、私は是が非でもそれが知りたかった。P8


写真というなんだかけったいなもののあり方を考えてみたいというイントロダクション。

 

2 分類しがたい「写真」


「写真」の本質は(もしそれが存在するなら)、「写真」によってもたらされた「新しさ」以外のものではありえない。
「写真」が数限りなく再現するのは、ただ一度しか起こらなかったことである。「写真」は、実際には二度と再び繰り返されないことを、機械的に繰り返す。「写真」に写っている出来事は、決してそれ以外のものに向かって自己を乗り越えはしない。「写真」はつねに、私が必要とする資料体(=標本となる肉体)を、私が見ている特定の写真の肉体(コール)に引き戻してしまう。「写真」は絶対的な「個」であり、反響しない、ばかのような、このも上なく「偶発的なもの」であり、「あるがままのもの」である(ある特定の写真であって「写真」一般ではない)。要するにそれは、「偶然」の、「機会」の、「遭遇」の」現実界」、飽くことを知らぬ表現である。p9


何を写して見せても、どのように写して見せても、写真そのものはつねに目に見えない、人が見るのは志向対象(被写体)であって、写真そのものではないのである。
要するに志向対象が密着しているのだ。p12


多弁な哲学者らしく、なんだかんだ書いてあるがまあ当たり前のことを云っているように思えた。

志向対象てなんだなんてこと考えると夜も眠れません。ので続くかどうかはわかりません。