巡りあえない時もある

アダム スミス 水田洋 最初の経済学者と言われるアダム・スミスの評伝。 一般常識的な知識を得たいと思って読み始めましたが、要領を得ない文章がだらだらと続く感があって読みにくいのと、多数ある引用も素人が言って申し訳ないのですがあまり的確になされ…

カントとアラーキーの本 

カント 貫成人 カントの考えたことのあらましを知ることのできる本。 カント独特のことば、例えば悟性やらアンチノミ―をわかりやすく解説されていたり、なぜ三大批判書があり、それぞれの役割・内容と流れが分かりやすく概説されており、カントの著作に取り…

神道を読む 2

神道を読む 2 神道入門 新谷尚紀 読む必要のない本。 民俗学者ということで、庶民から見た神道、言い換えれば氏子や信者さんから見た神道とはいかなるものかというのは霧の中で、大いなる期待外れ。 歴史的背景も良く書かれておらず。この本を読んでも、神…

神道を読む

神道という訳の分からないものを読んでみる。 神道の逆襲 菅野覚明 再読 仏教伝来以降の神道の歴史を記述した本。 後の方になるとなんだかイデオロギー的なにおいが強くなってくるように感じますが、神道思想がいかに構築されていったかが分かるように書かれ…

私は吉本隆明ファンだったのかもしれない

私は吉本隆明ファンだったのかもしれない 隆明だもの ハルノ宵子 クールな筆致で描かれた吉本家のファミリーヒストリーのような本。埴谷雄高さんが徘徊老人になり、吉本さんも糖尿病や老化が進行して行きお亡くなりになって、昭和も遠くなりました。 民衆や…

高田渡を読んでみた

高田渡を読んでみた 個人的理由 高田渡 歌詞を集めたものではなく普通の詩集です。二十歳前後の若いころに書かれた詩を編集した詩集ですが、あまり惹かれるものはありませんでした、自転車に乗って等の歌詞はいい感じなので、晩年に詩作されたものを読んでみ…

制度論

「美術館はスポンサーに働きかけるために文化的権威と信用が必要なのです。そして画家も同じでしょう。かくて依存のあらゆる回路ができあがります。画家たちは市場に出ていくためにも、公的な援助を得るためにも、美術館で展示することを必要としています。…

写真史Ⅱ

中古カメラ市 いまもあるかどうかは定かではないが、以前(大昔の話だ)には定期的に中古カメラの市が立っていた。 黒門市場の近くに中古カメラらやフイルムを商う小さな店があった。何台かカメラを買ったり、修理をお願いするために通った。 その店の店主に…

写真史1  カメラを買った

写真史1 カメラを買った 仕事先からの帰り道、ビジネス街の少し外れを歩いていると中古カメラ店があった、なんとなく覗いてみるとそのショーウィンドーにブラッククロームのアサヒペンタックスK2DMDがあった。 姿が良かったのでカメラのことはよく分か…

意識する

意識してシャッターを押さないと写真にならないとしても、いったいぜんたい意識するというのはどんな状態なんだろうか。 孔子さん的に言えば 心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食えども其の味を知らず 大学 といった状態だろうが、こ…

掌の中の風

ルバイヤート オマル・ハイヤーム ないものにも掌(て)の中の風があり、あるものには崩壊と不足しかない。ないと思えば、すべてのものがあり、あるかと見れば、すべてのものがない。

自分がいいと思う写真を選ぶ

自分がいい写真と思っているものと、皆さんにいいと言ってもらえる写真が違うことがあるが、自分がいいと思う写真を選ぶほかに方法はないだろう。

できるだけ自覚的であること

生きている時代、年齢、ジェンダーなどなど写真を撮るのにも、様々なものに縛られているが、できるだけ自覚的である以外にそこから抜け出す方法はないようだ。

写真創造

写真において発見するということは 創造するということだ

不思議

うまく撮れたと思える写真を集めても力のあるブックにならない不思議。

批評

私はこの写真をこう読んだ(解釈した)とは言えるかもしれないが、こうすればもっと魅力的なものになるのではないかといった、クリティカルなことを言うのは難しい。

シャッターを押すのは楽しい

何を撮ってもちょつと違う写真にしてしまう人がいる 素晴らしいとは思うが、まあ才能はなくとも シャッターを押すのは楽しいからいいのだ。

変身の歌

変身の歌 スー族 金関寿夫訳 おれは自分のことを狼だと思っていた けれど暗くなってフクロウが鳴き出すと おれは夜がこわくてたまらんのだ

絶対平面都市 森山大道 鈴木一誌

絶対平面都市 森山大道 鈴木一誌 これは森山大道さんへのインタビュー本(あとがきに対話を終えてと書いてあったけど、これは対話ではない)なんだろうと思うが、インタビュアーがしゃべり過ぎて読みにくい本になっている。だれもインタビュアーさんのどうで…

もっと軽く

せっかくだから、もっと軽くシャッタを―押そう。

言葉で説明してくれる人

この人のこの写真にはこんな特徴があって、それが見る人を刺激するということを、いい悪いや、好き嫌いだけではなく、きっちりと言葉で説明してくれる人を必要としている

旅人かへらず

旅人かへらず 西脇順三郎 旅人は待てよこのかすかな泉に舌を濡らす前に考へよ人生の旅人汝もまた岩間からしみ出た水霊にすぎない

表層

写真は表層だけを写しとるはずだが写真を見ていると底の方からある感情のイメージが浮かび上がってくるそれは見る人が持つている過去の痕跡ではなく写真の内にすでに存在しているものだろう *少し前に書いたものをリサイクルしました

現代文明の悲惨なところ

染物屋の手 W.H.オーデン 中桐雅夫訳 詩人が詩を作るよりも、詩について書いたり語ったりする方がお金になるというのは、現代文明の悲惨なところである。わたしがこれまでにつくった詩はすべて好きだからこそ書いたのだ。一遍の詩ができると、それを売ろうと…

写 真

「写真」という谷川俊太郎さんの写真と詩で構成された本からピックアップさせていただきました。 1 どんな情景もどんなドラマも光と影に還元してしまうのが、 写真の魅力かと思う。 太陽がもたらした今朝の光が、人知のおよばない長旅をしてきていることを …

きみの胸の傷口は今でもまだ痛むか

「死んだ男」鮎川信夫 たとえば霧やあらゆる階段の跫音のなかから、遺言執行人が、ぼんやりと姿を現す。──これがすべての始まりである。 遠い昨日……ぼくらは暗い酒場の椅子のうえで、ゆがんだ顔をもてあましたり手紙の封筒を裏返すようなことがあった。「実…

勾配

勾配 森川義信 非望のきはみ非望のいのちはげしく一つのものに向つて誰がこの階段をおりていつたか時空をこえて屹立する地平をのぞんでそこに立てばかきむしるやうに悲風はつんざき季節はすでに終りであつたたかだかと欲望の精神にはたして時は噴水や花を象…

写真はいい趣味だ

写真はいい趣味だ 足腰が立たなくなっても自分の撮った写真をニタニタしながら楽しめる そして それは昔をなつかしむなんてケチなことではなくて いま 現在の写真世界をつくり出しているからなのだ

妄想写真叢書 4

妄想写真叢書 4 十巻 数量データから写真を見る 例えばいま写真を趣味とする人たちがどれ位いるのかを知りたくともデータが見当たらない、まともなデータはカメラの販売数くらいしかないのはおかしな話だと思う。カメラメーカなどは独自調査をしているのだ…