無秩序な好み

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6 「観 客」(スペクタトール)その無秩序な好み


「私はつねに自分の気分を論じたいと思っていたのである。」p28


これは【カントによれば、私たちがある対象について“美しい”とか“醜い”(みにくい)と判断するとき、それは、快不快の感情に従っているという。
当人が主観的に快さ(こころよさ)を感じる対象については“美しい”と判断し、不快に感じる対象については“醜い”と判断するというのだ。


こうした判断を、カントは「趣味判断」と呼んだ。(ネットからの拾いもの)】と同じようなもんなんだろうが、趣味判断を「ある一般性に到達するものでなければならない」(バルト)と書いた理由はよくわからない。


7冒険としての「写真」


ある種の写真が私におよぼす魅力を(とりあえず)言い表すとしたら、最も適切な語は、冒険(=不意にやってくるもの)という語であると私には思われた。ある写真は私のもとに不意にやってくるが、ほかの写真はそうではないのである。p30


結局のところ心理学でいうところのレディネス(心の準備状態)によって、写真を見る人は写真に反応するという話か、ほかに何か深い意味があるのだろうか。