2020-01-01から1年間の記事一覧

写真にするための思考

写真の強さは技術の高さと、あまり比例しないようだ。むろん商業写真などのジャンルでは技術の高さが提供する商品力にダイレクトに結びつくのでないと困るが、アート写真では仕掛けややりすぎの加工は写真の陳腐化を招くように思える。 人やモノそのものの力…

写真の主題

ダイアン・アーバスのことば 私にとって写真そのものよりも写真の主題のほうがいつも大切で、より複雑です。プリントに感情をこめてはいますが、神聖化したりすることはありません。私は写真は何が写されているかということにかかっていると思っています。つ…

マン・レイ

写真術 21人の巨匠から マン・レイ(1890-1976) 再アップ。 写真に撮れないものーー想像、夢、無意識の衝動などから生まれたものは絵画に描く。描きたくないものーーすでに現実に存在するものは写真に撮る。 p14 「してはならないとされてい…

三冊の写真集

三冊の写真集 釜ヶ崎 詩 東渕 修 ・ 写真 井上青龍 この本を語っている人のほとんどは東渕さんを無視しているのは少し寂しいですが、致し方ないのでしょう。釜ヶ崎暴動の写真など、報道写真(腕章もヘルメットもない状況下で撮った写真と井上さんも書かれて…

デジタル写真

デジタル写真 デジタルで撮ろうが、銀塩で撮ろうが、そのほか何かで撮ろうが、いい写真はいい写真だというのが基本的な考え。 〇で、どうしてデジタルカメラを使うのか。 ・私は数打ちゃ当たる派(当たらないけど)なので、量を撮れる(低コストでということ…

写真家 ジュリア・マーガレット・キャメロン 川端有子

写真家 ジュリア・マーガレット・キャメロン 川端有子 ヴィクトリア朝時代の写真家、マーガレット・キャメロンの伝記。小さな本だが端折って作られていないので、あまり読みやすい文章ではありませんが読もうと思わせる、昨今の写真関連本では数少ないもので…

写真に写った髪の色

色彩について ウィトゲンシュタイン 65 「ブロンド」という言葉でさえ、ブロンドという色を表しているように聞こえるのだから、写真に写った髪の色がブロンドに見えることなど、それに比べたらなんとたやすいことだろう! p40 むろんこの本は色彩の論理…

写真で何をするのか

写真で何をするのか できるだけ深く自己満足すること、自分を多少なりとも幸せにすること、さらに自分の撮った写真で誰かを楽しませることができれば文句はないが、これは二次的なことだから気にしない。いい写真だとかいう判断も同じだ、すべて自分が決める…

秋雨 秋風 人を愁殺す

絶命詞 秋瑾 秋雨秋風愁殺人。 秋雨 秋風 人を愁殺す 漢樂府民歌に「秋雨秋風愁殺人」の詩句が有る。“秋雨秋風”秋風に落葉を掃く、秋雨連綿、天日を見ず。日暮、途窮る暗黒の清王朝に詩人の感、此に到る。

芸術新潮 1999年6月号 アーネスト・サトウの写真教室

芸術新潮 1999年6月号 アーネスト・サトウの写真教室 つまみ食い的なものが多く内容の薄い美術雑誌の写真特集ですが、森村泰昌さんが中心となって構成されていることもあって、特集記事の内容が充実しており、このころの森村さんの文章がまだ面白かったこと…

神無月

短詩 その2 神無月 もう来てしまったのか と言いつのる おっさんを気にせず 金木犀は咲いていた

連絡通路

短詩を作ってみました。 異界への連絡通路は おけいはん いざ狂(京)へ いざなえ

四千の日と夜  田村隆一

四千の日と夜 田村隆一 一篇の詩が生れるためには、われわれは殺さなければならない多くのものを殺さなければならない多くの愛するものを射殺し、暗殺し、毒殺するのだ *最初のフレーズを抜粋。

家辺 大輔 写真展 「interlude」

家辺 大輔 写真展 「interlude」 家辺大輔写真展 「interlude」拝見してきました。一見、静かなたんたんとした写真が並んでいましたが、ゆっくり向き合っていると、どこかがザワザワしてきました。 京都写真美術館の2階で明日と、明後日のみとなりましたが、…

今日はなにもありません

今日はなにもありませんので、写真をお楽しみください。

タイトル

〇タイトルてなんだ 美学者の佐々木健一さんによるとタイトルとは「この作品はこう読めという、作者からのメッセージ(うろ覚え)」だそうだ。 どうやらタイトルはその作品のコンセプトをことばにしたもののようです。 そして、シンディ・シャーマンさんの作…

勾配  森川義信

勾配 森川義信 非望のきはみ非望のいのちはげしく一つのものに向つて誰がこの階段をおりていつたか時空をこえて屹立する地平をのぞんでそこに立てばかきむしるやうに悲風はつんざき季節はすでに終りであつたたかだかと欲望の精神にはたして時は噴水や花を象…

短詩編(抄)  W・Hオーデン 中桐雅夫訳

短詩編(抄) W・Hオーデン 中桐雅夫訳 できたら、垂直的人間を 尊敬しょうじゃないか。われわれは水平的人間しか 重んじないけれど。 国家の建物はなぜあんなに高い?どうしてそのわけを 知らない?そりゃあ、国民の精神がとても低いからさ。 弾圧のない世…

芸術はいやったらしい

芸術はいやったらしい 岡本太郎さんのいやったらしい理論で、ダイアン・アーバスさんの写真を見直してみると、なんだか少しわかったような気になりました。 「たとえば、ピカソの絵の多くは、正直にいって、ただ楽しいというものではないでしょう。むしろ、…

写真の時代 富岡多恵子

ついに「写真」も美術館入りをしてしまったことは、「写真の時代」の終わりではないか。 「彫刻」が「絵画」がその「時代」を終えたように。 今の時代で「絵画」を信じているのは日曜画家と投資家ぐらいだろうが、「写真」を信じるのも「アマチュア、カメラ…

デジタル写真論 清水穣

デジタル写真論 清水穣 月並み俳句の昔から大衆化=画一的なのは当然(悪いことではない)のことなのではあるが、写真史上かってなかった大量生産、大量消費の今どきの写真を画一的などという、古臭くあほらしい言葉でくくってなにかを言った気になる写真評…

ボードレール(複製技術の時代における芸術作品) ヴァルター・ベンヤミン

ボードレール(複製技術の時代における芸術作品) ヴァルター・ベンヤミン 再読すると、映画や写真を複製することによって、一回性のアウラが消えるというような話ではなく、限界芸術論ではないものの、大衆化によるアウラの喪失があるのかどうか、大衆化(…

何の写真なのか

私は写真は何が写されているかということにかかっていると思っています。つまり何の写真なのかということです。 写真そのものよりも写真のなかに写っているもののほうがはるかに素晴しいのです。 ダイアン・アーバス

ああかけすが鳴いてやかましい

旅人かへらず 西脇順三郎 旅人は待てよこのかすかな泉に舌を濡らす前に考へよ人生の旅人汝もまた岩間からしみ出た水霊にすぎないこの考へる水も永劫には流れない永劫の或時にひからびるああかけすが鳴いてやかましい時々この水の中から花をかざした幻影の人…

もっとほめよう

もっとほめよう。 ビビアン・マイヤーのように日々写真を撮っている人もたくさんいるのだろうが、そのほとんどが表舞台には登場せずどこかに行ってしまうのが普通のことだろう。 ビビアン・マイヤーやアジェのように他にはない何かが写っている「写真」にな…

カメラがないと写真は撮れない?

カメラがないと写真は撮れない? 写真にはカメラが必需品(日光写真・サイアノプリントもあるが)ということで、カメラの話を少々。 カメラを2台も買ったので、まず安い方から。 LUMIX DMC-FS20 2008年発売開始。発売時価格2万円弱。中古…

再度 写真を評価する基準

やっぱり写真を評価する基準なんてない。と思う。 だが、ティルマンスと私の写真をならべて、どちらを欲しいですかと、そこら辺を歩いている人に問うと、たぶん圧倒的にテルマンスの写真を選ぶだろうという、いわゆるティルマンス問題(勝手にそう名付けまし…

駄写真

□駄写真は可能か 私は自分の写真を駄写真だとおもっている。まあ、ほとんどはただの謙遜なんですけれど、駄菓子菓子駄洒落のような写真を撮ってみたいとは思っているので、そういうふうなジャンルもありかなとも思っています。 □なぜ、駄写真は難しいのか 駄…

レビューしてみよう

□ではレビューしてみよう。(ブッは先週の写真です) 〇イントロダクションというか予備知識(データ) 撮影日時 2017年2月25日の午後。撮影場所 住之江区にある「住吉漁業協同組合」周辺。すぐ前の敷津運河が漁船の船溜りとなっている。撮影機材 オリ…

自作自演

自分の写真(上にあげたもの)を自分でレビューしてみよう。 □まずレビューてどんなこと。 〇一般的な意味では評論、批評が妥当なんだろうが、まあ、おまけをつけると写真をよりよい方向に向かわせるための教育的指導という意味合いもあるのだろう。 〇英語…