私は吉本隆明ファンだったのかもしれない

私は吉本隆明ファンだったのかもしれない


隆明だもの ハルノ宵子


クールな筆致で描かれた吉本家のファミリーヒストリーのような本。
埴谷雄高さんが徘徊老人になり、吉本さんも糖尿病や老化が進行して行きお亡くなりになって、昭和も遠くなりました。

民衆や大衆などと標榜して本を書いていたインテリの皆さんも加齢によって地が出てきて、大衆のことなんてホントウはそんなの関係ないと忘れ去られておられる中で、吉本さんが体を張って「大衆の原像」を具現化されておられたのは素晴らしいと思わずにはおれませんでした。
文学的なものは苦手なんだけれど、吉本ファンへの呪詛を含めて、この本も、前に出された「開店休業」も楽しく読ませていただきました。


猫だましい ハルノ宵子


親族やご自身の闘病記、猫の話、吉本隆明フアン向けのトピックなどを明晰かつブラックなスタイルでかかれており、楽しく?面白く読ませていただきました。
なんだかんだとハルノ宵子さんの本を続けて読ませていただきました、お勧めです。


フランシス子へ 吉本隆明


吉本さんの最後の本。
フランシス子という名の猫と吉本隆明さんの感動?の物語の本。
ボケるのはいいなぁと思うけれど、周りはかなわんだろうなとは思いました、この本を含めて晩年の吉本さんはなぜだか、インタビューや聞き書きが大半でしょうが、驚くような量の本を出されておられましたが、本を出す側の思惑だけではなく、吉本さん自身にも何かを伝えたいという強い思いがあったのだろうと推測いたしました。