2019-01-01から1年間の記事一覧

しびれる短歌 東直子 穂村弘

しびれる短歌 東直子 穂村弘 短歌は読むトレーニングをしないとあまり楽しめない、あんがいめんどうな短詩だ。一首の歌を二人の歌人が読むという構成の本で、短歌の世界では読みが大切な要素であることを教えてくれる。写真も撮ること・見ることだけではなく…

自問自答2

自問自答2 問い (美的)感覚は鍛錬で手にすることはできるのか。答え むろんあるレベルまでは可能だ。バウハウス的な教育メソッドのようなものがあれば、もう少し積み上げることはできるようだ。問い あるレベルてどれ位。答え それを職業として食べて行け…

ラディカルな意思のスタイルズ(完全版)

ラディカルな意思のスタイルズ(完全版) スーザン・ソンタグ 文芸評論というのはこんなもんなんだろうが、無駄(かどうかは読む人によるのだろうが)に文章が長すぎる。完全版ということで手に取ってみたが、書かれた時期が古いこともあって、いまさら感が…

いい写真とは

手抜きで、昨年書いたものを再アップさせていただきます。 自問自答 1.問い いい写真とは答え 自分の撮る写真と似ている、同じようなスタイルの写真。問い 答えになっていない。答え まあ、確かに嫌いな写真だけれど、いい写真だと言わざるを得ないものも…

クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime

クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime ボルタンスキーの作り出す空間は墓場ではない、墓場はもっと明るく、外に開かれている。どちらかというと土に埋まっている少し湿度のある棺桶か、でもこの棺桶はせせこましくはなく密閉もされていない、それに光の入…

隣接する分野から 

6)隣接する分野から 森村泰昌 「美術の解剖学講義」 ちくま学芸文庫 2001年 実作者にこんな丁寧で面白い本を書かれては、美術評論家や写真評論家など業界の人は立つ瀬がないと思います。写真に関しても、ブレッソンさんの写真の構図分析や、アーネスト…

ライプニッツ 山内志郎

ライプニッツ 山内志郎 ライプニッツの本も入門書さえも読んだことがなかったので、わかるもわからないもないのですが、この本は横道にそれた部分が面白く、楽しませていただきました。それは「他人の哲学の解説がそれを使って自分の哲学をすることによって…

社会学・精神分析からのアプローチ

5)社会学・精神分析からのアプローチ 〇『写真論-その社会的効用』 ピエール・ブルデュー 社会学的分析テクニックによって、社会と写真を結ぶものを浮かびあがらせる。当たり前だが、写真家だけが写真を撮ったり、見たりするのではないということで、写真を…

西田幾太郎 永井均

西田幾太郎 永井均 プロ野球のゲームに参加することはできないが、楽しむことができるように、哲学することはできないが、哲学を楽しむことはできるというような本です。

写真史

4)写真史 〇「写真のアルケオロジー」 ジェフリー・バッチェン 2010年 ねばり強い思索と歴史的探索で、人はなぜに写真を撮る(創りだす)ことに、情熱を注いだのかを、写真家が科学者や化学者だったころから検証した、一本道ではなかった、錯綜した写…

必生 闘う仏教 佐々井秀嶺

必生 闘う仏教 佐々井秀嶺 宗教としての仏教のひとつの側面を体現する、例えればニシナリの稲垣さんのような人の本だが、買ってまで読む必要はないと思う。 そして多くのお寺さんが家業であったとしても、もう少し宗教的であってもいいような気がするような…

すでに古典

3)すでに古典 〇「複製技術時代の芸術」 ヴァルター・ベンヤミン 1999年 自由で、アイデァ豊かなマルキスト思想家という不思議な存在で、読み方しだいでどうとでも読めるベンヤミンさん。、そして、コピーしたらオーラがなくなるとは書いていないとお…

チベット仏教入門&空海に学ぶ仏教入門 吉村均

チベット仏教入門 吉村均 チベット仏教をテーマとした仏教学の本かと思って読みはじめると、チベット風味の仏教随筆!で、これを入門書(それも新書の)と題してはアカンと思いました。また、著者の立ち位置が仏教学者か修行者なのかがあやふやなのも今一つ、…

写真の読み方

2)写真の読み方に関するアプローチ 写真の読み方 〇「写真の読み方」 名取洋之助 岩波新書 1963年 50年以上前に書かれた本だが、熱さが伝わってきて読ませる。実例をあげた組み写真の作り方など、古びてはいない部分もある。 〇「フォト・リテラシー…

空の論理<中観> 梶山雄一・上山春平

空の論理<中観> 梶山雄一・上山春平 再読。一部の梶山さんの中観の解説が勉強になりました、と言っても50年ほど前に書かれたものなので、今の仏教学の水準からどうなのかは、私にはわかりません! 二部の対話編は上山さんのインタビューがまずく、話がかみ…

現代写真への手引き

4年~5年前に作った、写真関連の本のリストを再度アップさせていただきます。 1)現代写真への手引き。 〇「まなざしのエクササイズ」 ロズウェル・アンジェ 2013年 ポートレイト写真を中心において書かれた、錯綜した現代写真(家)へたどり着くための…

スーザンソンタグの「ローリング・ストーン」インタビュー

スーザンソンタグの「ローリング・ストーン」インタビュー 相変わらず才気煥発という風には見えるものの、年齢や身体の陰りは隠せないようで、昔語り的なインタビュー(1979年)になっていました。 また、インタビューという形式から仕方ないのかも知れません…

現代イラン詩集 鈴木珠里他編訳

現代イラン詩集 鈴木珠里他編訳 気に入った一編をピックアップしようと探しましたが、好みの詩がありませんでした。まあ、この本を編集した人達の選択の傾向が、私と合わなかったのでしょう。ハイヤームを生んだイラン(ペルシャ)だ、こんなもんではないだ…

空の思想史 立川武蔵

空の思想史 立川武蔵 「空」やら「悟」やら、訳の分からないものを掲げるブッダを基とする教えがなぜ宗教となったのか、それが知りたい。 著者はこの本の中でなにを問うているのか、整理整頓は基礎だと思うが、今の時点での解釈も聞いてみたい。 中論 帰敬序…

好き勝手に展開する

好きな写真家の写真をネットから拾ってきて、自分で構成してプリントした小さな写真集を作ってたまに眺めてる。 大きくて迫力のある大型プリントもいいが、もともと力のある写真は小さなプリントであってもその魅力が損なわれることが少ない、不思議な媒体だ…