現代文明の悲惨なところ

染物屋の手 W.H.オーデン 中桐雅夫訳

詩人が詩を作るよりも、詩について書いたり語ったりする方がお金になるというのは、現代文明の悲惨なところである。わたしがこれまでにつくった詩はすべて好きだからこそ書いたのだ。一遍の詩ができると、それを売ろうとするのは当然だが、それを書くにあたって、市場予測はなんの役割りも演じていない。

序文の前半部分。