駄文です

趣味の社会学 片岡栄美


趣味で社会学をやっているというということではなくて、趣味を社会学した論文集。


ブルデュー社会学理論を下敷きにしておられるようですが、学者さんとしてはどうののかは知りませんが、読み物としては面白くありませんでした。


写真との関連では「第五章写真イメージに見る美的性向」というチャプターがあるのですが、そのイントロダクションが「Ⅰ中間芸術としての写真とハビトゥス」というのを見てへへーと思いました。

いまどき中間芸術て何、戦後すぐの桑原武夫さんの時代ではあるまいにと同時に、ブルデューさんは芸術の正統性とかハイブローとか何とかを批判するものが、制度批判としての社会学の役割だと語られていたように思いました。
むろん下に述べた本のタイトルが「中間芸術としての写真」だったとしても、50年以上前の芸術理論をそのまま疑わないのはいかがなものでしょうか。


また、ブルデューさんの監修した「写真論」1965年(数少ない写真一般を研究対象とした本で、翻訳されてからでも30年以上たっていますが新刊で買えます。)という本ではアンケート・インタビュー・写真に関する文献の調査などの道具を使われていたようですが、この本ではアンケート分析だけで終わっていて、ものたりません。


さらなる蛇足 ブルデューさんの本の「第2章 挿画のレトリック」は写真を使ってアート作品(だけではない)を作っているクリスチャン・ボルタンスキーの兄さんである社会学者リュツク・ボルタンスキーが書いています。