ことばの果ての写真家たち 高橋義隆

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ことばの果ての写真家たち 高橋義隆


むかしスーザン・ソンタグさんの写真論のアマゾンレビューを読んでいたら、ソンダクさんは「写真を撮らないから写真のことをよく分かっていない」(今見たらなかったので、本当にあったのだろうか⁉)というレビューがあって、なんだかニャリとしことを思い出しました。この意見が全くの間違いだとも言い切れないのが面白いところですが、ソンタグさんが名うての文芸評論家でその道具(スタイル・方法論)を写真をテキストとして、自分の世界と70年代のアメリカ論として語っていることを忘れてはいけないことだとも思いました。


さて、超ナナメ読みで申し訳ないんですが、この本なんですがもう何十年も続く金太郎あめ的写真随筆(登場人物がほぼ同じなのはつらい)のニューバージョンということで、楽しめる人は楽しめばいいという本でした。

 

業界の大御所ジョン・シャーカフスキーの言うところの「ヴァンテージ ポイント」や使われている道具(分析手法)があやふやであるのは致し方ないにしても、写真家の文章をテキストとして語るのか、それとも撮られた一葉の写真を語るのかをはっきりすることと、必要以上の飾りのことばを省いて読みやすくされた方が良いのではないでしょうか。