学校で修業したことや、写真に欠かせない綿密さや訓練を無駄なことだと思いますか

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学校で修業したことや、写真に欠かせない綿密さや訓練を無駄なことだと思いますか。


いや、私はプロになったのだから。写真家になるためには修業が、膨大な忍耐力が必要だというのは事実だ。よく写真家は「イメージの狩人」だといわれる。写真家をそんなふうに、精力的で後天的な力を持つハンターに例えるのは買い被りというものだ。実際には、そんなものではない。針に糸をつけた釣り人に過ぎないのだ。幸いなことに、、絵をつくっていく過程のなかでは、いまだに人がいちばん重要な役割を担っている。ただ、そういったことは、まだ人々の心のなかにはっきりと捉えられていないのだ。摸作の可能性があるおかげで、一般には、並はずれて優れたといえどもいつでも撮影できるものだと思われている。けれど、それは誤りだ。最高の写真、いつまでも心に残る写真は、カメラに捉えられる以前にまず心のなかに思い浮かべられたものなのだ。


ロベル・ドアノーへのインタビューより