普通に見えるけれどへん

SELF AND OTHERS  牛腸茂雄


牛腸茂雄さんがこの写真集で言いたかったこと(この写真集はこう読んでね)は「SELF AND OTHERS」というタイトルに集約されており、それはこの写真(集)を読めば納得できるものでしょう。


そして、牛腸さんの写真より前に出てきている序なる文章や、写真に取り掛かる前に読まれることが多いだろうと推測される「解説」は写真を見ること(読むこと)にとって邪魔でしかないように思えます。

 

牛腸茂雄作品集成


牛腸茂雄 1946-1983」写真展の図録。


ストレートに写真と対峙する、もしくは対話をするためには過剰な伝記的な要素の記述や、解説は後回しでいいのではないでしょうか。


情報を得ることが不安を減少させるとはいえ、アートや写真を見る場合は、間違っても問題はない(写真を見ることにおいて、いったい何が間違いなのだ)のだから、あなたや私が見た牛腸茂雄の写真でいいのではないでしょうか。


この本は牛腸さんの資料集といえるほど様々なデータや写真が集められていますが、写真集としては「SELF AND OTHERS」がおすすめです。