方法とは

f:id:tiheisen1839:20181121174653j:plain

 わたしは花火師です ミッシエル・フーコー

 

 再読しました。フーコーの仕事の方法論の一端がうかがわれる文章です。少し長いですが一部を引用させていただきます。

 

わたしはいわば砲兵(花火師はだめだろう)です、わたしが作りだしているものは、結局のところは占領と、戦争と、破壊に役立つものです。
わたしは破壊することが好ましいとは考えていません。
それでもわたしは通り抜けること、前に進めること、壁を倒せることは好ましいと思っています。
砲兵であること、それはまず地質学者であることです。
土地の地層を、褶曲を、断層を調べます。
掘削しやすいところはどこか、抵抗があるところはどこか。
そして砦がどのように構築されたかを観察します。身を隠したり、攻撃を仕掛けたりするのに役立つ起伏を詳しく調べるのです。
そしてしっかりと調べ終わると、次は実験にとりかかります。
手探りで試行するのです。
偵察隊を派遣し、見張りを配置し、報告を提出させます。
そして、採用する戦術を決めるのです。
反撃の用意はないだろうか。罠ではないだろうか。これは地雷を埋めた穴ではないか。直接の攻撃ではないかと……。
結局のところ、方法とはこうした戦略にほかなりません。