ドキュメンタリー写真のパイオニアとしてあなたとカルティエ=ブレッソンがよくあげられますが、そういった呼ばれかたに対しては、どうですか

f:id:tiheisen1839:20190621180348j:plain

ドキュメンタリー写真のパイオニアとしてあなたとカルティエブレッソンがよくあげられますが、そういった呼ばれかたに対しては、どうですか。


自分のことを報道写真家だとか写真記者だとかとはおもわない。なぜなら、新聞社の仕事で時事的な興味のある写真を撮影した経験がないからだ。普通、記事のなかでは写真はキャプションやテキストなしで掲載されることはない。そういった説明がなければ、たいてい自立できる写真ではないのだ。けれど私は常に完璧な構成を維持してきた。写真の構造や構図が主題に劣らず重要なのだ。美学的な要求だととられるかもしれないが、そうではなく、実用上の問題だ。強力に把握されたイメージ――余分なものを剥ぎ取られたイメージ――だけが、記憶に染みつく力を持っているのだ。心に残り、言葉を換えれば忘れられない写真となるのだ。写真の価値の基準はそこに置かれなければならない。(後略)


ブラッサイへのインタビューより